喜劇映画研究会代表・新野敏也による ドタバタ喜劇を地で行くような体験記♪
作品の感想は語れず 衒学的な論評もできない「コメディ」によって破綻した実生活を暴露する!?
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2018-01-01から1年間の記事一覧

第二六話 喜劇映画研究会の復活

復活した喜劇映画研究会の手作りパンフ。両面コピーで冊子みたいになったので、1979年の頃より完成度が上がったかも。 1985年3月13日の火曜日、六年ぶりに恵比寿のスペース50を借りた。目的は喜劇映画研究会の上映会を開くためだ。 かつて小林君や僕がお世話…

第二五話 おかしな二人

初対面でA氏から貰った海外カタログ。ブーチャードのカタログは劣化が激しくて処分した… 番外編も含め、ここまで書いて、ほとんど女っ気のない話ばかりだったので、僕が同性愛者か独身のヘンタイと思われて不思議はないかも。 一応の弁明をすると(自慢じゃ…

第二四話 山あり谷あり綱渡り

1982年12月5日 六本木のクリエイティブ・スペースOM映写室にて。左がケラリーノ・サンドロヴィッチに変身前の小林君、右が僕。 昭和の後半を一緒にガチャガチャ騒いでいた小林君が、平成最後の秋に演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチとして紫綬褒章を受ける…

第二三話 喜劇的に支離滅裂

『フィルム・コレクター連盟』という崇高な文化サークルには入れたけど、やはりどこの組織でも尖鋭的な人と退嬰的な輩は共生するもんで(もちろん僕は後者の部類だが)、ご多分に漏れずここでも会報に寄稿しているキレ者たちは(紀田順一郎氏を除いても)外…

第二二話 生きろ!生き続けろ!

「誰が為に金は有る」1980年 NEW KEYSTONE作品 最高の相棒を亡くした事で、僕は二週間ほど茫然自失となっていた。 ニッポの葬儀はカトリック三軒茶屋教会で執り行われ、僕らニュー・キーストンの馬鹿ガキ軍団も神妙な面持ちで参列した。でも、このお馴染みの…

番外編 “笑い”を語る!喜劇映画の魅力

京都国際映画祭2018 サイレント/クラシック映画部門 10月12日(金)13:40 ~ 黄金期のアメリカ喜劇 #1 喜劇映画の貴公子ハロルド・ロイド 「ロンサム・リュークの爆裂映画館」Luke's Movie Muddle 「要心無用」Safety Last 10月12日(金)16:20 ~ 黄金期…

第二一話 笑いが消えた日

『誰が為に金は有る』の撮影スナップ。因みに本編はモノクロ。 『誰が為に金は有る』の撮影は、1980年の晩秋から始まった。この時点でニッポは翌年の春にレコード・デビューが決まっていたので、所属する会社のプロ・レッスン、水越誠一郎氏との個人練習、コ…

番外編 怪談 其の二 バイト先の怨霊

今回の話も事実です。体験した状況をそのままお伝えしますので、信じるか信じないか、心霊現象か妄想かの判断はご自由に、僕の勘違いだと思って頂いても構いません。でも、コワイ話が苦手ならば敢えて読まないように! このブログの正編(第十九話~二十話)…

第二十話 『豚の世界』事件

『豚の世界』がイメージフォーラム初登場の際のパンフレット。 小林君がまだ『有頂天』どころか『伝染病』のケラでもなく、駆け出しのアマチュア・バンド『ジ・アイヌ』を佐々木貴君らと結成したばかりの頃、一足先にニッポはレコード会社か芸能プロダクショ…

番外編 怪談 其の一 御殿山の少年

これからお伝えする話は事実で、信じるか信じないかは読む人の勝手だ。幽霊か錯覚かの判断は僕にできないけど、とにかくコワイ話が苦手ならば敢えて読むべきではありませんヨ~。 それは1984年の夏、正確な日付は思い出せないけど、日曜日の夜だったかな。フ…

番外編 映画の著作権(パブリック・ドメイン)を考察する

今回は「古典映画の著作権」について調べた入魂の長文なので、目次を設けてみた! クリックすれば各項へ一直線、でも時間が許す限りは最初からジックリ読んでネ! 序章 映画の冥界 魑魅魍魎が憑くクラシック作品 ~「著作権を騙る」カタルシス~ 第1章 映画…

第十九話 『ジジイの初恋』と『福の神』

左より小林一三、ニッポ(西村善和)、『下賤民族』の場面写真で新野敏也。 ニュー・キーストンを再結成しようと、僕と小林君とニッポ(西村善和君)で計画した頃、実は改めて「喜劇」を作ろうとか考察しようという考えが僕は希薄になっていた。 理由は、ま…

第十八話 「有栖川パニック」と再始動

左から新野敏也、小林一三、ニッポこと西村善和。新生ニュー・キーストンの宣伝用に撮影。でも3人が共演する事はなかった・・・ 第十五話で書いたとおり、僕の主宰した(そして勝手に脱退した)ニュー・キーストンは、僕の班、ター班、小林班、多田班と、大…

第十七話 フィルム・アーカイブ計画

前章より時間が遡るけど、僕も小林君に倣ってフィルムを集めてみようと、小林君から渋谷の悪徳ぼったくりフィルム輸入業Jを紹介してもらった。 目的は、ハロルド・ロイドの喜劇を入手して、《スラップスティック・コメディとは違う何か》を自前で研究する事…

第十六話 キゲキの終焉

喜劇研究会最年少トリオがニュー・キーストン加入から最初の《配給作品》として完成したのが多田浩章による007のパロディ(?)だった。 月並みな言葉を並べると16歳~18歳は「大人への入り口」「思春期の曲がり角」「多感な年頃」で、ちょうどこの馬齢に喜…

第十五話 喜劇の黄金時代!?

1978年の自主映画「吉野家の映画丼」より。左からター(ポール・スタンレー)、小林一三(ピーター・クリス)、多田浩章(エース・フレーリー)、佐々木貴(ジーン・シモンズ)。「ケンタッキー・フライド・ムービー」「下落合焼き鳥ムービー」に触発されて…

第十四話 上映会のヒミツ

(左)現存する最古の「喜劇映画研究会」パンフレット。ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏が小林君だった時の手書きで、B4コピーを半分に手で切っていた… (右)喜劇研究会が発行した「喜劇新聞」創刊号。両面・縮小コピーの不可能な時代なので、ちゃんと印刷…

第十三話 ふたつの研究会

1978年5月1日刊行・喜劇研究会の機関誌「喜劇界」。高校生になったばかりの小林君(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)が論考を寄せていた! 【提供:原健太郎様】 ハナ肇が顧問の喜劇研究会、恐るべきフィルム・コレクション、高価な映像機器、そして謎の資金…

第十二話 マルクス狂賛主義

東宝事業部発行の冊子、「ハロー!キートン」上映時に劇場で売られていた。当時の定価は500円ながら、値段以上の超豪華な執筆陣!僕のキートンに関する知識は、この冊子に掲載されている記事くらいだったけど、小林君は・・・ 喜劇研究会は畏懼(いく)して…

第十一話 ハナ肇の「喜劇研究会」

喜劇研究会という名称は知らなかった。ましてやハナ肇が顧問というのは、ハッタリにしてもキョーレツ過ぎる!しかも、小林君ら三人はこの数日前に入学したばかりだから、喜劇研究会には中学生で加入していた事になる!彼らの中学校にハナ肇似の顧問がいる映…

第十話 映画部に恐るべき新入生

大阪万博の広報新聞『SUNDAY EXPO』昭和43年(1968年)2月4日号、せんい館はまだ日本繊維館という名称で準備が行なわれていたような内容…祖父が執筆した記事。 喜劇を追求したい!しかし情報がない!マック・セネットとハル・ローチの創作スタイルの違いを解…

第九話 一撃必殺のハロルド・ロイド!

当時のチラシ表と裏!次回公開「猛進ロイド」も謳っているのに・・・! 1977年の元旦、僕の聖地となるニュー東宝シネマ2で上映中の『ロイドの用心無用』に行った時の想い出は、二重の意味で忘れられない。 ひとつは前章に書いた「マック・セネット対ハル・…

第八話 ハル・ローチ対マック・セネット

この豪華なラインナップ!しかし・・・ マック・セネット流がジャリー・ルイスや『8時だョ!全員集合』に発展し、チャップリン流が『男はつらいよ』『藤山寛美の松竹新喜劇』になって、シチュエーション・コメディとは『駅前』シリーズや『クレージーの大冒…

第七話 無声映画の喜劇が爆裂

公開当時のパンフレット表紙。イラストと題字は和田誠氏。僕はこの作品から“伝説の喜劇人”を知る! 『ビバ!チャップリン』『ハロー!キートン』がシリーズと銘打っておきながら、かなりの不定期公開となってモヤモヤしていたところ、遂に最大のインパクトが…

第六話 キートン襲来

「ハロー!キートン」シリーズのプレスシート!まさか途中で打ち切られるとは・・・ リバイバル公開時のチラシ!裏面のレイアウトがオシャレ♪ チャップリンの『街の灯』から古典映画の熱が引かないうちに、初キートンを迎えるため、再びヒステリカルな母親と…

第五話 『街の灯』とキートン登場

戦後初のリバイバル公開となった「街の灯」。チラシの日付で僕が劇場に行った日も判明!? 渋谷の小さな名画座でチャップリン初遭遇となった『モダン・タイムス』から、待望のシリーズ第二弾『街の灯』を見たのは、約半年後の銀座(有楽町)で、それもロードシ…

第四話 チャップリン初体験

リバイバル公開時のチラシ!ロードショー館は有楽町のニュー東宝シネマ2という劇場だったけど、僕がチャップリンを知った時は既にロングラン公開に切り替わって、隣りのシネマ1と渋谷文化という劇場になっていた。証拠のチラシ!? 先述(第二話)のとおり、…

第三話 チャップリンを知る

この人物を知った事で、僕の人生が変わった訳だ・・・ ガキの頃の僕にとっての「映画」とは、東宝チャンピオンまつり『ゴジラ』シリーズか東映まんがまつり、大映『ガメラ』『大魔神』の事であって、あとはテレビで繰り返し放送される『人生劇場』『座頭市』…

第二話 チャップリンで「無声映画」を知る

「ビバ!チャップリン」公開時のプレスシート。寸評の執筆陣がスゴイ! 今日ではサイレント、トーキーという映画史の大きな転換期を知る人も多く、DVDやブルーレイで手軽に古典映画は鑑賞できる。しかし、1972年に東和(現・東宝東和)が『ビバ!チャップリ…

第一話 「喜劇映画研究会」続行宣言

常に危険と不安を抱えている! 我が喜劇映画研究会は1976年設立なので、成人男性に例えるとちょうど今年(2018年)が厄年の真っ只中となる。まぁ、会社組織ではなく「趣味のサークル」なので、倒産やら吸収合併に遭わずに済んでいる訳だけど、今日まで僕が長…